平成13年(二〇〇一年)に、化粧品の全成分表示が義務付けられてからは表示指定成分というものはなくなった。指定成分もそうでないものも、すべての成分を表示するようになったからである。それにともなって、無添加化粧品というものも事実上はなくなったはずであるが、「肌にやさしい化粧品」というイメージで今でもこの言葉は使われている。ではそもそも無添加化粧品は肌にやさしいのかというと、そうとは言いきれない。というのも表示指定成分というものは、主にアレルギーを起こしやすい20の成分についての表示を義務付けたものであり、肌に悪いものすべてを指定していたわけではないからである。例えば界面活性剤なども、量が多いと必ず肌をあらすがアレルギーを起こしやすいというものではないため、指定成分には入っていない。わかりやすくするために、食品で考えてみよう。最近では、卵、小麦、そばなど、アレルギーの原因となる食物を含むものは、それらを表示するようになってきた。知らないで食べてしまうと危険だからである。これはかつての化粧品の指定成分と似たようなものということになる。でも、そのようなアレルギーのもととなる食物(指定成分)を含まないものが健康によいかというと、そうではないだろう。卵も小麦も含まないけれど防腐剤たっぷり、という食品だってあるだろう。また、アレルギーのない人が、卵や小麦を含む食品を避けた方がよいなどということもない。実際、食物アレルギーのない人は、表示なんて何も気にしないで買っているだろう。でも、化粧品となると、なぜかアレルギーなんてなくてもとにかく無添加にこだわる人が多い。無添加といっても、指定成分以外の悪いものがたくさん入っている可能性もあるのだが。また、こんなのもある。「鉱物油無添加」という表示のある化粧品で界面活性剤がたくさん入っているものとか、「防腐剤無添加」をうたっていても、防腐剤に指定されていない防腐剤を使っているものとか(薬事法上で防腐剤の扱いをうけていないもの)、実際は防腐剤として使われている成分もあるのである。「漂白剤不使用」と書かれている野菜に農薬がたっぷり……というようなのと同じである。こうなると、何が無添加なのかわからなくなってくるが、結局は、添加物が入っていても、食べるわけではないのだからかまわないのである。香水なんて香料そのものだから、添加物100%みたいなものだが必ずかぶれるというものでもない。
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