世界のファッション市場のリーダーは今や日本といわれるが、それは経済的に恵まれ、自由で気ままな消費行動をとり続けられる若年層を主対象にする業界だからこそ、といえよう。二〇一〇年くらいまでは少子化か続くといわれる厳しい市場だが、彼らは飽くことなく新しいものを消費し続けるであろう。この意味では頼りになる市場なのである。意外に忘れがちだが、日本の「富」の総額も膨大である。『日本経済新聞』によれば、家計に目を向けてみても、現金、預貯金、住宅、土地など総額は約二〇〇〇兆円ある。家計は日本の国富の八〇%を握り、個人金融資産は約一五〇〇兆円もある。フリーターのような収入が少ない若者など必ずしも皆が富んでいるわけではないが、大きな富の四〇%以上を中間層以下が持っている。年齢的には全体の七五%を五〇歳以上の世帯が所有し、六〇%の約八三〇兆円を六五歳以上の高齢者が所有している、という数字もある。中高年は老後への備えから相対的にはもちろん慎重とはいえ、低金利に嫌気がして預貯金から投資へ金を振り向ける傾向もこのところ急速に強まってきた。結婚適齢期人口の未婚率の高さも見逃せない。最近の調査によれば、三五から四九歳の男性でも未婚率は三〇%に近い。子供のいない世帯も10%を占める。彼らは家庭維持のための固定費を自分のこだわり消費に回せるのである。