黒のスカート、それもなんでも合うタイトスカート、いい布地の(黒はいい布地だと品のいい黒になるのだ)、できればシーズンに合ったものを二、三種類、そろえておけば安心だもの。春らしく象牙色のものや淡い砂色のものも欲しいけれど、とりあえず黒いタイトスカート。卒業式や入学式にもそれさえあれば、ジャケットかシルクのブラウスといった装いで、あわてることもないし、と私の経験です。おしゃれ上手な人は、上手に着くずすことを知っている人だ。着くずすということは、だらしなく着ることとは違って、気楽に着る、というのとも違って、その服を自分のものにしてしまうことだと思う。自分のものである服、それは当然よ、私が買った服だもの、というのとも違う。お金を出して自分のものにしたのだけど、いくら着ても何々というデザイナーのものだったり、お店のイメージのまま着ていたり、と素直なのはおしゃれもそれまでで、その一歩先が着くずす作業なのだ。衿の形を変えてブローチなど留めてみる。シャツのボタンのはずし方、袖のまくり方、重ね着にする方法、スーツにパンプスなどというルールを破ること、なにげないヘアスタイル、ルーズなスカーフの巻き方、などなどその場その場の上手な着くずし方があって、どれをどうすれば、といえるものではないのだけど、そのコツは一つだけ、いろいろトライしてみることかもしれないな。