建築現場こそ正直なモデルハウス

2011-10-08

住宅展示場のモデルハウスはデザインを中心に、これから家を建てようとしている建築予定者に美しく着飾った住宅を展示している。特に外観は、女性に気に入られるような姿をしている場合が多い。アプローチから玄関に入ると、そこに住めそうなくらい広々とした空間が目に入る。頭上の吹き抜けがさらに広がりを演出し、そこに洒落た家具などが置いてあれば、思わず夢に酔いしれてしまうだろう。ところが、どこも同じように美しくデザインされた家の骨組はというと、それぞれが違うのである。柱を組んだ在来の木造軸組工法、合板を釘で打ち付けて組み立てるツーバイフォー住宅、細い鉄の柱の鉄骨プレハブ住宅など、構造は大きく違う。大事なのは、それを建てている最中の骨組を見ることである。素人だから分からないと逃げるのではなく、建築現場の中に入って、その目で見て感じることだ。「これはガッチリしているな」とか、「こんな細い柱で大丈夫か」など、それなりに感じるところがあるはずだ。雨の降った後に見に行ったら、ベタ基礎の土間にプールのように水が溜まっているのを発見するかもしれない。防腐剤が塗られている現場では、気分が悪くなることもあるだろう。内部仕上げをしているとき、搬入されている材料を見れば、それが何か一目瞭然である。接着剤を多用した新建材ばかりがあることに気が付くと思う。一方、無垢のヒノキや青森ヒバを使っている建築現場に入れば、その素晴らしい香りに心が癒されることだろう。床を支える根太の太さを見るのも楽しいものだ。素人でも五感で感じるものである。建築中の現場を、工事中で危険だから見せないという住宅メーカーは、中身に自信がないと思われても仕方がないだろう。私も、住宅メーカーの現場を通りすがりによく覗くが、驚くことが多い。人が住む室内の床を、左官屋がコテでモルタルならしをしている。その上に直にフローリングやCFシート(ビニールシート)を、糊付けで張るのである。いい家を建てるためには、自分で現場を見て感じることが大切である。