クチュール精神への回帰

2012-01-25

九〇年代に入ると、モードの規範からの逸脱を続けながらも、伝統的なクチュール精神への回帰が色濃く現れてくる。そして、満を持したかのように九七年春夏からオートクチュールの世界へ入り込む。これは別に不思議なことではない。事実、彼自身も自白しているようにクチュールは「ずっとやりたかった」ものだからだ。プレタポルテほどの奇抜さはないにしても、オートクチュールでもゴルチエの方法論は健在だ。古着のデニムに豪華な刺繍を施してルダンゴトに仕上げたり、十八世紀のパニエを迷彩色で染めあげたりする一方、プレタポルテでも帯をコルセットに例えた着物(ゴルチエは帯とコルセットに共通している身体拘束性を見抜いている)を二〇〇一−〇二年秋冬では、袖、ベスト、パンツの裾、スカート、ガードルといった服のパーツをまとめあげたパッチワーク的な作品を発表している。

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